駆け引きの考え方
この期間バスケの動画を見たり、他のチームの練習を見学させてもらって
改めて考えたことを書いておこうと思います。
バスケットボールだけでなく、多くのスポーツに共通する『駆け引き』についてです。
駆け引きは元々、戦場で部隊を進ませるのか、撤退させるのか、作戦上の用語として使われていた言葉です。
「駆け」は馬に乗って駆けることから敵に向かって攻め進むことを表し、
「引き」は馬の手綱(たづな)を引くことから退却する様子を表しています。
つまり、駆け引きを行うというのは必ずしも攻め込むことだけでなく、撤退することも駆け引きにおける重要な要素です。
バスケでもボールを保持している、保持していないに関わらず、多くの場面で駆け引きを必要とします。
駆け引きができるようになれば、スピードやパワーといった力を最小限に抑えながら有利にプレーを進めていくことができます。
こういう駆け引きでDFを抜くことが出来る!という場面ごとのスキルは今たくさんの動画がYouTubeなりInstagramなりTwitterなりに流れているので
ここでは記述しませんが、僕が思う駆け引きの考え方についてお伝えしておこうと思います。
例えば、ジャンケンをイメージしてみてください。
相手に後出しジャンケンするよーと言って、あなたが先にグー✊を出していたとします。
すると、相手が1秒後に出してくる手は何ですか?
当然、パー🖐を出してきますよね。
相手がパーの手を出そうとした瞬間に、グー✊の手をチョキ✌️に変える事で勝てます。
当たり前のようですが、これが駆け引きです。
先に自分の行動を示しておいて、相手の反応を予測する。
そして、自分が望む相手の行動が出てきた瞬間に、自分の行動を変える事で相手に打ち勝つことができます。
バスケットボールの場合は、身体の使い方や視線の方向など様々な要素が絡んでくるので、ジャンケンのように単純な話ではありませんが
これが僕の思う『駆け引き』の基本的な考え方です。
じゃあこの考え方を踏まえて、駆け引きを上手くする為にどんな練習をしたら良いのか?ですね。
1つは「自分のイメージしている自分の姿と、実際の自分の姿をできるだけ近づける」ことです。
もう少し分かりやすく言うと、「自分の思い通りに自分の身体を動かせているか」です。
これに関しては、武井壮さんの言葉が非常に分かりやすいので、この動画を見てください。
動画中にもあるように、「頭で思っている」ことと「実際やっていること」がズレていると、上手くいかない事が多いです。
バスケでもシュートの時の指先のボール操作が5mmでもズレたら、リングに到達する時には大きなズレになります。
だからこそ、自分の思った通りに身体を動かすことや自分の頭のイメージと実際の身体の動きを近づけておかなくてはいけません。
2つ目は「相手の思考を読む」ことです。
これをもう少し分かりやすく言うと、「相手の立場で考える」です。
小中学生の時によく先生から言われますよね。笑
でもこれが難しいからこそ大切なんです。
駆け引きの上手い人は、相手の思うことや感じること、反応をイメージするのが上手い人です。
だから、自分の思う通りに相手をうまく動かす事で、自分のプレーを有利に進めるんですね。
この鍛え方は簡単ですが難しいです。
普段から、目の前にいる相手の仕草・表情・言動・行動などを細かく観察するクセをつけることです。
要は、人に興味を持つんです。
バスケのようにスポーツで一生懸命になればなるほど、その人の「素」の部分が現れやすくなります。
目の前の相手は、シュートを決められた時に落ち込む選手なのか、奮い立つ選手なのか、もしくは関係なく淡々とプレーを続ける選手なのか
表情や行動・仕草で相手の特性を見抜くことができれば、結構優位にプレーを進めることが出来ます。
経験上、淡々とプレーを続ける選手は結構厄介ですが・・・。
あとは、相手の特性や反応の仕方によって自分の引き出しが多ければより優位に立つことが出来ますね。
そこは、プレー面の話なので練習をして経験値を増やすしかありません。
ということで今日は『駆け引き』の考え方について、お伝えしました。
多くのチームが練習できていないこの期間を使って、NBAやBリーグの試合を見ながら
たくさんの駆け引きの場面に注目してみてください。
細かい動作や仕草で相手を出し抜こうとする様子が至る所に散りばめられているのに気付くことができれば
自分のプレーに活かすことができると思います。